ラテン文字・数字とキリル文字の見本です。画像ではなく Web フォントなので、文字を書き換えて試せます。

IEL-0-VI(ИЭЛ-0-VI)は、旧ソ連で使われていたセグメント式の EL(エレクトロルミネセンス)ディスプレイです1。1980年代のソ連で、軍用に作られたものとされています2。

見た目は蛍光表示管(VFD)に似ていますが、仕組みは大きく異なります。真空管ではなく、ヒーター(熱陰極)もありません。蛍光体を混ぜた樹脂を、導電層と酸化スズのガラス窓ではさんでコンデンサーのような構造にし、高電圧の交流で充放電を繰り返すことで発光します2,1。駆動には約 200V・400Hz の交流が必要です1。

特徴的な 8セグメントの配置で、「T」を除くほぼすべてのキリル文字とラテン文字を表現できるとされています2,1。下の写真は、すべてのセグメントを点灯した状態です。斜めのセグメントを組み合わせた配置が分かります。

頑丈な作りで、ソ連の戦車の操縦席で使うためのものだったという言い伝えもあります1。ほかの写真は、Industrial Alchemy や lampes-et-tubes.info のページで見られます。

EL ディスプレイ「IEL-0-VI」を模したフォントです。

IEL-0-VI で各文字をどのセグメントの組み合わせで表示するかは分かっていません。Ver.0.1 は、それらしいパターンを作れた文字にだけグリフがあります。

種類 収録している文字 収録していない文字
数字 0〜9 —
ラテン文字(大文字) A B C E F G H I J K L M N O P Q R S U W X Y Z D T V
ラテン文字(小文字) b d h l o p q y 上記以外
キリル文字(大文字) А Б В Г Е З И К М Н О П Р С У Х Ч Ы Ь Я Д Ё Ж Й Л Т Ф Ц Ш Щ Ъ Э Ю
キリル文字(小文字) — すべて
記号 . _ —
  • セグメントをすべて点灯したグリフを私用領域の U+E000 に割り当てています。

ラテン文字の小文字は、大文字とは別の形で 8文字を収録しています。

IEL-0-VI は資料が少なく、分かっていないことの多い表示装置です。特に、各文字をどのセグメントの組み合わせで表示していたか(文字の表現方法)が分からないため、IELetter の字形は推測で作っています。次のような情報をお持ちの方は、GitHub の Issues でお知らせください。

  • 各文字のセグメントの組み合わせが分かる資料(データシート、仕様書、文字の対応表など)
  • IEL-0-VI で文字を表示している写真や動画
  • IEL-0-VI が使われていた機器や、駆動回路の情報
  1. AnubisTTP「Soviet IEL-0-VI Electroluminescent Display」Industrial Alchemy、2012年3月18日(2026年9月23日閲覧) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5

  2. IEL-0-VI Multi-segment Electroluminescent Display 101-178 | lampes-et-tubes.info(「Made only for military use in 80’s Soviet era」。2026年9月23日閲覧) ↩ ↩2 ↩3