ロゴタイプは、MICR 書体のカタカナ。

埼玉県川口市西川口1丁目の喫茶店。店主の水瀬氏の話では、開店は昭和50年ごろ。店名の「ラボ」は、ラボラトリーから。開店のときから、隣と階上に写真店があり、写真店と喫茶店を合わせて「ラボ」と名付けた。水瀬氏は、創業のころはまだ学生で、内装などを手伝ったという。その後、いろいろな経験を経て店を継いだ1。

住宅地図によると、創業は遅くとも1974年(昭和49年)。1974年の住宅地図に「ラボ」の名前があり、隣はカメラ店(アルハーカメラ)。1977年の住宅地図では「ティールーム ラボ」になっている。1978〜1981年の職業別電話帳にも載っている2。

ロゴは、開店のときに知人が作った。御徒町の駄菓子屋の息子で、本業は本田技研工業(ホンダ)の企画だが、ロゴを作ったりするのも得意だったという。テントは何度も張り替えていて、テントの書体はテント業者に任せているが、「ラボ」の2文字だけは残している1。

英字の「LAVO」は、本来は LABO だが、手作りするには B より V のほうが簡単なので、V にした。店内のカウンターの上の切り文字「LAVO」も、創業のときに水瀬氏らがノコギリで切って作ったもの1。

『タイポさんぽ改』(2016年)は、テントの「ラボ」を、MICR 書体をもとにした欧文書体「Data 70」の「心意気を受け継ぐカタカナ」として紹介している。つづりが「V」になった理由は、同書では不明とされていた3。

タイポさんぽ改 : 路上の文字観察

「125 こころのオアシス電算室風」(p.115-116)で、テントの「ラボ」を「Data 70」系のカタカナとして紹介。「LAVO」のつづりの理由は不明としている。

  1. 店主の水瀬氏への取材(2023年5月28日、店内で) ↩ ↩2 ↩3

  2. 埼玉県立熊谷図書館 埼玉資料室「レファレンス(回答)」2023年6月6日(『ゼンリンの住宅地図 川口市〈南部〉 1974』p.21、『ゼンリンの住宅地図 川口市(市街編)蕨市 1977』p.61、『職業別電話帳 埼玉県南部版』1978年3月6日 p.667・1979年9月3日 p.710・1981年3月1日 p.761) ↩

  3. 藤本健太郎『タイポさんぽ改 路上の文字観察』誠文堂新光社、2016年、115-116ページ(「125 こころのオアシス電算室風」) ↩