MICR 書体のレタリングを、縦組みのカタカナで使った例は珍しい。帯ごとに描き直されていて、同じ字でも帯によって形が少しずつ違う。

エルトン・ジョンは、1947年3月25日生まれのイギリスの歌手。本名はレジナルド・ドワイト。作詞のバーニー・トーピンと組んで曲を作り、1970年のアルバム『エルトン・ジョン』で知られるようになった1。

初期のアルバムは、イギリスの DJM レーベルから出た。日本では、東芝音楽工業が DJM のレコードを発売した。東芝音楽工業は1973年10月1日に東芝EMI になり、その後も東芝EMI が発売した2。

2019年にユニバーサル ミュージックが出した紙ジャケット仕様の SHM-CD(13タイトル)は、日本初回盤 LP の帯の意匠を再現している3。

シングル「人生の壁」は、“Border Song”(作詞バーニー・トーピン、作曲エルトン・ジョン)の邦題4。日本盤の品番は DJM FR-2559 で、B面は「悪い月」5。アルバム『エルトン・ジョン』(DJM FP-80133)にも入っている6。

『ミュージック・ライフ』1970年11月号は、エルトン・ジョンを「俄かに脚光を浴びはじめた英国のロッカー」として紹介し、「“BORDER SONG”(人生の壁)で聞かれるその歌唱力」と、この曲を挙げている7。『美術手帖』1971年3月号には、「最近、エルトン・ジョンの新盤が日本で発売された。(東芝 FP-80133)」とある8。

3枚目のアルバム(原題 Tumbleweed Connection)。日本盤は DJM FP-80211、2,000円910。

エルトン・ジョン3(紙ジャケット仕様)

初めてのライヴ・アルバム(原題 17-11-70)。1970年11月17日に、ニューヨークの A&R スタジオで録音した111。日本盤は DJM FP-802561112。

日本だけの編集盤。品番は FP-80329。「僕の歌は君の歌」「人生の壁」のほか、日本では LP に入っていなかった曲など10曲を収める。初回の盤には、「来日記念盤!!」の赤い細帯も付いていた13。

4枚目のスタジオ・アルバム(原題 Madman Across the Water)。日本盤は DJM FP-80393、2,000円14。

マッドマン(紙ジャケット仕様)

フランスで録音したアルバム(原題 Honky Château)で、初めて全米1位になった1。日本盤は IFP-80566、2,000円1516。

ホンキー・シャトー(紙ジャケット仕様)

原題 Don’t Shoot Me I’m Only the Piano Player。収録曲の「クロコダイル・ロック」が、初めて全米1位のシングルになった1。日本盤は IFP-80705、2,000円17。

ピアニストを撃つな(紙ジャケット仕様)

2枚組のアルバム。邦題は「黄昏のレンガ路」18。日本盤の初出は IFP-93105B(2枚組、3,000円)1819。写真の IFS-67103-04(4,000円)は、のちの再発盤。

黄昏のレンガ路(グッバイ・イエロー・ブリック・ロード)(紙ジャケット仕様)

7枚の帯のタイトルに使われたカタカナは、延べ96字。重複を除くと31字だった(長音を含む。中黒・記号・数字・ひらがな・漢字は除く)。

ア イ ウ ヴ エ キ ク グ コ シ ジ ス ッ ト ド ニ バ ピ ブ ペ ホ マ ャ ョ ラ リ ル レ ロ ン ー

どの帯にも「エルトン・ジョン」があり、96字のうち49字はこの7字の繰り返し。15字は一度しか使われていない。

それぞれの字が最初に出てくる帯のトレースを、50音表に並べた(色を変えたマスは、2回以上使われた字)。

2回以上使われた字を、帯ごとに並べた(左から年代順。同じ帯に2回以上ある字は、下に続けて並べた。字ごとに高さをそろえた)。

同じ字でも、帯によって形が違う。濁点は、『エルトン・ジョン3』と『ライヴ!』ではしずく形、『スペシャル・コレクション』と『マッドマン』では上を太くした形、『ホンキー・シャトウ』以降は角の丸い四角。

  1. 三宅はるお「エルトン・ジョン」(『ロック/ザ・バイオグラフィー』シンコーミュージック、1990年11月)p.166(コマ86)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩ ↩2 ↩3 ↩4

  2. 「Toshiba EMI」Discogs(2026年10月8日閲覧) ↩

  3. 「エルトン・ジョン3 [SHM-CD]」ユニバーサル ミュージック(2019年8月7日発売の紙ジャケット・シリーズ。「日本初回盤LPの意匠を再現した帯」。2026年10月8日閲覧) ↩

  4. 日本放送協会 編『軽音楽便覧 1970』(日本放送出版協会、1971年)p.22(コマ14)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  5. 「Elton John – Border Song = 人生の壁」Discogs(2026年10月8日閲覧) ↩

  6. 『ロック貴重盤:1967-1979』(シンコー・ミュージック、1988年11月)p.117(コマ60)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  7. 石坂敬一「エルトン・ジョン」『ミュージック・ライフ』20巻12号(1970年11月)p.112〜113 ↩

  8. 秋津薫「限りない想像の世界に誘う エルトン・ジョンの旋律」『美術手帖』23巻340号(1971年3月)p.13 ↩

  9. 『ロック貴重盤:1967-1979』p.121(コマ62) ↩

  10. 「Elton John – Tumbleweed Connection = エルトン・ジョン3」Discogs(FP-80211、2026年10月8日閲覧) ↩

  11. 『ロック貴重盤:1967-1979』p.129(コマ66) ↩ ↩2

  12. 「Elton John – 17-11-70」Discogs(FP-80256、2026年10月8日閲覧) ↩

  13. 「Elton John – A Very Special Collection」Discogs(FP-80329、2026年10月8日閲覧) ↩

  14. 『ロック貴重盤:1967-1979』p.146(コマ75) ↩

  15. 『ロック貴重盤:1967-1979』p.170(コマ87) ↩

  16. 「Elton John – Honky Château」Discogs(IFP-80566、2026年10月8日閲覧) ↩

  17. 「Elton John – Don’t Shoot Me I’m Only The Piano Player」Discogs(IFP-80705、2026年10月8日閲覧) ↩

  18. 『ロック貴重盤:1967-1979』p.218(コマ111) ↩ ↩2

  19. 「Elton John – Goodbye Yellow Brick Road」Discogs(IFP-93105-B、2026年10月8日閲覧) ↩