KX-33 は、ナショナルが「パナキット」の名前で1977年10月に発売した、入門者用のマイコンキット。音楽の自動演奏や時計、タイマー、センサー入力のプログラムがあらかじめ入っている。マイコンは、松下電子工業の4ビットのワンチップマイコン MN1400。価格は3万9800円1。カタログの発行元は九州松下電器2。

1978年4月に出たブルーバックス『マイコンピュータをつかう』は、KX-33 を「こども向けの“おもちゃコンピュータ”」として紹介している。発売元の九州松下電器の公式発表によれば、小学生から高校生向けに、音楽の自動演奏や電子ルーレット、センサーを使った「遊び」を中心に応用プログラムを考えたという3。

『月刊マイコン』1977年12月号には、「話題の新製品 松下のマイコン・キット」として、米持尚「パナキット KX−33の機能をさぐる」(p.77)が載った4。裏表紙は関東電子機品販売の広告。

1978年1月には、KX-33 を完成品にした「マイコン学習機」KX-33B が発売された56。電源や低周波アンプ、スピーカーをキャビネットに内蔵して、組み立ての手間を省いたもので、価格は4万1800円67。チラシの発行元は九州松下電器8。

「ナショナルマイコン学習機」のロゴは、発売時の雑誌の広告にも使われている9。

本体のパネルにある「MICON」は、MICR 書体のロゴタイプ。

  1. 「松下が入門者用マイコンキット」(『電子材料』16巻11号、工業調査会、1977年11月、国内短信)。「入門者用のマイコンキット「パナキット」を開発し,10月より発売開始した」「価格は3万9,800円」。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  2. KX-33 のカタログ(九州松下電器、九-021。「このカタログの内容は1977年10月21日現在のものです。」)。Oh!石 氏提供 ↩

  3. 安田寿明『マイコンピュータをつかう : 周辺機器と活用の実際』(ブルーバックス、講談社、1978年4月)p.14。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  4. 『マイコン』1巻3号(電波新聞社、1977年12月)の目次。国立国会図書館所蔵(NDLサーチ) ↩

  5. 『最新ヒット商品開発・着想事例集 消費財編』(事業開発情報センター、1978年11月)の該当ページ。「53年1月に松下電器がマイコン学習機「KX-33B」を発売したことで,家庭用学習機器としての新分野を開拓」。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  6. 「松下がマイコン学習機を発売」(『電子材料』17巻2号、工業調査会、1978年2月、国内短信)。「4ビットマイコン組立キット「パナキット KX-33」を完成品とした「マイコン学習機 KX-33B」」「価格も4万1,800円」「当面月産2,000台を予定」。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩ ↩2

  7. 「業界情報」(『自動化技術』10巻2号、工業調査会、1978年2月)p.11。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  8. KX-33B のチラシ(九州松下電器、九-023。「このチラシの内容は1977年12月21日現在のものです。」)。Oh!石 氏提供 ↩

  9. 松下電器の広告「マイコン時代を先取りしよう!」(『中央労働時報』612号、全国労働基準関係団体連合会、1978年1月)。「ナショナルマイコン学習機 KX-33B 標準価格41,800円」「他に姉妹品としてマイコンキット KX-33 標準価格39,800円も有ります」。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩