文字に切り込みを入れただけのデザインとも捉えられるが、コンピューターのシステムのロゴであることから、MICR 書体と考えて記録した。MICR 書体と考えると、珍しい字形。

PCポップは、川商ボード機材のコンピューター文字システム。広告では「Computer Aided Lettering System」と添え、「200万円台で自前のタイプフェイスが持てるようになった。」とうたった1。

ロゴタイプには ® が付いており、「PCポップ」は登録商標だった。ただ、現在は権利が維持されておらず、権利者名からも検索できないため、詳細は不明2。

広告によれば、書体には「もじ書き君」の書体群を使っていた1。その後継とみられる筆耕総合支援システム「もじ書き君!」を、現在も有限会社米桂が販売している。米桂の書体には、広告にもある山口楷書や並木の名前があり、家紋集も扱っている3。商標「もじ書き君!」は1986年10月に出願され、1989年10月に登録された4。

PCポップそのものについては、広告に書かれている以上のことは不明。

川商ボード機材は、1979年(昭和54年)8月に、川鉄商事の子会社の晴海鋼業から分離独立して、ミラボード販売として設立された。1981年(昭和56年)1月に、川商ボード機材に社名を変えた。大株主は川鉄商事56。

本社は東京都江戸川区東葛西にあり5、のちに千葉県浦安市に移った6。黒板の製作所などに、ホーロー鉄板やアルミ材を販売していたほか、電気暖房器も扱っていた56。

1996年5月、トーケン商事と合併した。存続会社はトーケン商事で、社名をケーシー住宅資材に改めた7。ケーシー住宅資材は、2004年10月に社名を JFE商事住宅資材に変えている7。

  1. 川商ボード機材の広告(日本タイポグラフィ協会年鑑編集委員会 編『日本タイポグラフィ年鑑 1987』グラフィック社、1987年7月) ↩ ↩2

  2. J-PlatPat の商標検索(商標「PCポップ」、称呼「ピーシーポップ」、権利者「川商ボード」など。2026年10月6日) ↩

  3. 有限会社米桂「筆耕総合支援システム「もじ書き君!」」「米桂」(2026年10月6日閲覧) ↩

  4. 商標「もじ書き君!」登録2177623(商願昭61-108953)。J-PlatPat(2026年10月6日閲覧) ↩

  5. 日本経済新聞社 編『会社総鑑 未上場会社版 1985年版 下巻』(日本経済新聞社、1985年5月)p.2450(コマ370)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩ ↩2 ↩3

  6. 『東商信用録 関東版 平成4年版 下巻』(東京商工リサーチ東京総合サービスセンター、1992年10月)p.406(コマ356)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩ ↩2 ↩3

  7. JFE商事住宅資材「会社概要」の沿革(2026年10月6日閲覧) ↩ ↩2