8×8ドットの書体。大曲都市は『アーケードゲーム・タイポグラフィ』(2020年)で、大文字を「〈クイズショー〉書体とMICR系の混合」とし1、「線の太さの大きなコントラストがよいアクセントになっている」と評価した。また、実質的に内容を引き継ぐ『アームドポリス バトライダー』では、同じ書体に水平方向のグラデーションを付けて使っていると紹介した(下は『アームドポリス バトライダー』の字)2。

ネームエントリーでは、漢字の「平」も入力できる(ネームエントリーの字は、この書体とは別の字)3。この書体の字の中にも「平」が用意されているが、おそらく使われていない。

「平」の由来は、エイティングの外山雄一が『シューティングゲームサイド』Vol.1(2010年)のインタビューで語った。コンパイル時代の『武者アレスタ』で、VRAM にフォント1文字分の空きがあったので、スタッフロールに新人の平(ひら)君の名前を漢字で載せた。この「後輩イジリ」のノリを、ライジングの1作目『魔法大作戦』へ持ち込んだという3。

同じくエイティングの横尾憲一(『バトルガレッガ』ではストーリーとゲストキャラクターのグラフィックを担当)は、「『武者アレスタ』から続いてライジングここにありというか、こういう流れがありますよというサインのようなもの」で、「ひとつの遊び心」だと話した。『グレート魔法大作戦』では、名前に「幸」の入ったデザイナーが2人いたので、「幸」も入力できるようにした3。

ライジングの縦スクロールシューティングゲーム。田舎町で小さな工場を営むウェイン兄弟は、連邦国家の兵器開発主任に抜てきされて新兵器を作り出すが、それが戦争で人の命を奪うことに気づき、試作中の戦闘爆撃機「ガレッガシリーズ」4機を持ち出して、連邦国家に反旗を翻す4。

特定の条件で難度が大きく上がり、敵弾が増えたり敵が硬くなったりする。当時のプレイヤーが、自機をわざと失って残機を減らすと難度が下がることを見つけ、スコアを稼いで残機を増やしながら、難度を調節して進む遊び方が広まった。サウンドは、当時ライジングに所属していた並木学が手がけた5。タイトーの『ガンフロンティア』(1991年)の影響を強く受けていて、飛ぶ方向が分かりやすい独特な「針弾」を使っている6。稼働当時は難しさからそれほど人気が高くなかったが、ゲームバランスや隠し要素、世界観や音楽で、徐々にマニアの人気を集めた4。

  • 発売: 1996年2月6日(アーケード)78
  • ジャンル: 縦スクロールシューティング
  • 開発: ライジング9
  • 販売: エイティング9

業界紙『ゲームマシン』には、1996年2月1日号から広告が載り10、3月15日号のヒットチャート「Best Hit Games」に初めて入った。TVゲーム機のソフトウェアの8位だった11。

業界誌『アミューズメント産業』には、発売の前から、販売代理店のエイブルコーポレーションの広告に「新発売!」として載った12。1996年2月号の新製品の紹介は、8方向レバーと3つのボタン(ショット、スペシャルウエポン、オプションのフォーメーション変更)で操作し、残機制で全7ステージと伝えた7。1997年3月号によれば、平成8年度(1996年度)の優秀機械メーカー表彰で、優秀機に選ばれた13。

ライジングのシューティングゲームとしては、『魔法大作戦』(1993年5月)14、『疾風魔法大作戦』(1994年9月)15に続く3作目。のちの『アームドポリス バトライダー』(1998年)16、『バトルバクレイド』(1999年)とあわせて「バトル」シリーズになる17。

アーケードゲーム・タイポグラフィ

p.44〜45 の「アタリ書体」でクイズショー書体の成り立ち。「05 MICR 書体」の章(p.130〜147)の p.145 がバトルガレッガ(「BATTLE GAREGGA – TYPE 2」)、p.147 はその拡大図

甦る20世紀アーケードゲーム大全

p.112 がバトルガレッガ

シューティングゲームサイド

特集「ライジング/エイティング STGの軌跡」。p.98〜111 が作品紹介(p.102〜103 がバトルガレッガ)、p.114〜129 が外山雄一・横尾憲一のロングインタビュー

バトルガレッガ Rev.2016 Premium Edition - PS4
  1. クイズショー書体は、一般にアタリ書体と呼ばれる書体。キーゲームズ(アタリの子会社)の『クイズショー』(1976年)のために、ライル・レインズがデザインした(大曲都市『アーケードゲーム・タイポグラフィ ビットマップ書体の世界』井原恵子 訳、グラフィック社、2020年、p.44〜45「アタリ書体」) ↩

  2. 大曲都市『アーケードゲーム・タイポグラフィ ビットマップ書体の世界』(井原恵子 訳、グラフィック社、2020年)p.145 ↩

  3. 「株式会社エイティング シューティングクリエイター 外山雄一氏/横尾憲一氏 ロングインタビュー」(『シューティングゲームサイド』Vol.1、マイクロマガジン社、2010年10月)p.122(「Raizing/8ingシューティング「平」コレクション」も同じページ) ↩ ↩2 ↩3

  4. GERTACK!(賞金稼ぎ)「バトルガレッガ」(特集「ライジング/エイティング STGの軌跡」、『シューティングゲームサイド』Vol.1、マイクロマガジン社、2010年10月)p.103 ↩ ↩2

  5. GERTACK!(賞金稼ぎ)「バトルガレッガ」(特集「ライジング/エイティング STGの軌跡」、『シューティングゲームサイド』Vol.1、マイクロマガジン社、2010年10月)p.102 ↩

  6. 『甦る 20世紀アーケードゲーム大全 Vol.3 白熱!対戦格闘ゲーム ブーム到来編 1991年~2000年』(メディアパル、2020年)p.112 ↩

  7. 「NEW PRODUCTS」(『アミューズメント産業』25巻2号、アミューズメント産業出版、1996年2月)p.169。発売日 2月6日、価格 16万8000円(OP価格)。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩ ↩2

  8. 「バトルガレッガ」(エイティング、Internet Archive の保存版、2001年9月1日)。現在の「バトルガレッガ」(エイティング)にも同じ記述 ↩

  9. 「株式会社エイティング シューティングクリエイター 外山雄一氏/横尾憲一氏 ロングインタビュー」(『シューティングゲームサイド』Vol.1、マイクロマガジン社、2010年10月)p.115 ↩ ↩2

  10. エイティング・ライジング「バトルガレッガ」広告(『ゲームマシン』第511号、アミューズメント通信社、1996年2月1日)p.14。2月15日号(第512号) p.5、3月1日号(第513号) p.28 にも同じ広告 ↩

  11. 「Game Machine’s Best Hit Games 25」(『ゲームマシン』第514号、アミューズメント通信社、1996年3月15日)p.25。「バトルガレッガ(エイティング/ライジング)」 ↩

  12. エイブルコーポレーション広告(『アミューズメント産業』25巻1号、アミューズメント産業出版)。「BATTLE GAREGGA バトルガレッガ 新発売!」。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  13. 「協会ニュース」(『アミューズメント産業』26巻3号、アミューズメント産業出版、1997年3月)p.226。国立国会図書館デジタルコレクション(個人向けデジタル化資料送信サービス) ↩

  14. 「魔法大作戦」(エイティング、Internet Archive の保存版、2001年12月24日) ↩

  15. 「疾風魔法大作戦」(エイティング、Internet Archive の保存版、2001年12月24日) ↩

  16. 「Game Machine’s Best Hit Games 25」(『ゲームマシン』第560号、アミューズメント通信社、1998年3月15日)p.21。「バトライダー(エイティング/ライジング)」 ↩

  17. GERTACK!(賞金稼ぎ)「バトルバクレイド」(特集「ライジング/エイティング STGの軌跡」、『シューティングゲームサイド』Vol.1、マイクロマガジン社、2010年10月)p.108 ↩