書体
- 書体名: Nimra(نمرة)1
- デザイナー: Abdullah Arif12
- 公開: 2018年3月11日(Version 1.0)。3月14日に Version 1.02 を出した13
- 形式: OpenType・TrueType と、Web フォント(WOFF・WOFF2・EOT)4
- 収録: 東アラビア数字10字、西洋数字10字、E-13B の記号4字(Transit・Amount・On-Us・Dash)とスペース2
- ライセンス: SIL Open Font License 1.115
Arif 氏は、Nimra を「最初の東アラビア数字の MICR フォント」としている1。E-13B の様式で英字を補った書体には、Moore Computer・Data 70・Westminster などがあるが、東アラビア数字の版は、Arif 氏が探したかぎり見つからなかったという1。
東アラビア数字で作った理由には、アラビア語が母語であることと、アラビアの金融機関で E-13B が使われていることを挙げている1。ただし、使われているのは西洋数字の E-13B で、規格の字は数字10字と記号4字のみ(E-13B を参照)。
Nimra の使い道について Arif 氏は、古いソフトウェアとハードウェアが根を張り、OCR も優れているので限られ、せいぜいレトロフューチャーの効果を出すためのディスプレイ書体だろうとしている1。そのうえで、東アラビア数字と西洋数字が E-13B の中で並ぶ例として、アラブ首長国連邦の5ディルハム紙幣の記番号(東アラビア数字と西洋数字の両方で刷られている)を Nimra に置き換えた図を載せている1。今後の課題には、ウルドゥー語とペルシア語の数字の版と、東アラビア数字と西洋数字で磁気の波形をそろえられるかの検討を挙げている1。
デザイナー
Abdullah Arif 氏は、アラビア語を母語とするデザイナーで、自身のサイト Makkuk Digital Industries(makkuk.com)で、アラビア文字のフォントやアプリを公開している16。Nimra のほかに、プログラムやテキストの編集に向けたアラビア文字の等幅フォント Kawkab Mono(2015年)7や、アラビア文字の可変のピクセルフォント Solar 6(2025年)8がある。
字形
E-13B の数字と記号
Arif 氏は、東アラビア数字を作る前に、まず E-13B の元の14字を起こし直している1。E-13B と CMC-7 の字形は ISO 1004-1:2013 で決まっているが、規格書は有料なので、プリンターのマニュアルや特許の文書、印刷された小切手やメーカーの見本から読み取ったという1。
フォントの寸法は、印字の寸法から次のように決めている1。
- どの字も幅は 0.125インチ(1インチに8字)
- フォントの1em を1250ユニットにし、1ユニットを 0.0001インチにする(72ppi なら 9ポイントで1インチに8字になる)
- 字は、130ユニットの正方形を縦9・横7に並べた格子に収める
- 右のサイドベアリングは170ユニットで一定。角の丸みの半径は65ユニット(0 は内側130・外側260)
磁気の読み取り(字ごとの波形)は検討しておらず、Arif 氏は「ほぼ模作の試み(an exercise in pastiche)」としている1。
東アラビア数字
東アラビア数字のデザインにあたって、Arif 氏は次の方針を立てた1。
- ISO 1004-1:2013 になるべく沿う
- アラビア語の読み手が見て違和感の少ない形にする
- E-13B の数字とはっきり見分けられる形にする
- 斜めの線は抽象化する
- ナスフ体(アラビア文字の基本の書体)に忠実に、横の線を強めるところは強める
- 字幅の決まりは気にしない(西洋数字の 0 の幅910ユニットは、東アラビア数字の 0 には大きすぎる)
- 数字は文字と違って左から右へ書くので、サイドベアリングを左右逆にする必要はない
字ごとに、Arif 氏は次のように説明している1。
| 字 | 説明 |
|---|---|
| ٠(0) | 書道では小さな菱形の点。格子の上で、大きすぎず小さすぎない大きさにした |
| ١(1) | ナスフ体の ١ を、小さな大きさでドットにした形をもとにした |
| ٢(2) | 歯(ぎざぎざ)のある形とない形のうち、ない形を選んだ。細めにして、E-13B より黒く見えがちな全体を軽くした |
| ٣(3) | E-13B の 3 の枝分かれを横に反転した。歯の高さは見た目で決めた |
| ٤(4) | 3 を反転するだけでも似せられるが、ナスフ体の ٤ は横の線が太いので、それを反映した。この格子では、単独形のアイン(ع)と見分けにくくなる |
| ٥(5) | E-13B の 1 の極端な太さの変化と、8 の左右対称を思わせる、急な形にした |
| ٦(6) | 横の線を強め、縦の線に筆の傾きを表す突起を付けた |
| ٧(7) | ラテン文字の Y のような形にすると鶏の骨のように見えたので、斜めの線を抽象化した |
| ٨(8) | ٧ を上下左右に反転し、主な縦の線を太くした |
| ٩(9) | E-13B の 9 をそのまま借り、下の横の線を太くして区別した |
Nimra をもとにしたフォント
Alex Clay 氏は、自作のゲーム『Maiden of Pain』のために、Nimra をもとにした数字のピクセルフォント「Maiden of Pain Numbers」を作った(2018年、CC0)19。ゲームでは弾数の表示に使われ、言語をアラビア語にすると東アラビア数字で表示される(Maiden of Pain Numbers を参照)。

Web サイト
Arif 氏のページ(makkuk.com/nimra/)は、2026年10月時点では開けない。配布されていた zip(Version 1.02)は、Wayback Machine の保存版のページの「Download Nimra 1.02」からダウンロードできる。フォントを作るための元のファイル(Glyphs と UFO)は、GitHub の aiaf/nimra にある。
リンク

Designing Eastern Arabic MICR Numerals
The case for Makkuk Nimra, the first Eastern Arabic MICR font
GitHub - aiaf/nimra: Nimra is a typeface with MICR Eastern Arabic numerals in the style of E13B
Nimra is a typeface with MICR Eastern Arabic numerals in the style of E13B - aiaf/nimra
出典・注
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Abdullah Arif「Designing Eastern Arabic MICR Numerals」Makkuk Digital Industries、2018年3月11日(Wayback Machine の2018年3月19日の保存版。「the first Eastern Arabic MICR font」「I was slightly surprised when I couldn’t find an Eastern Arabic version」「Each glyph has a fixed width of 0.125 inches」「The ink is confined to a 7x9 grid of 130-unit squares」「Ours is mostly an exercise in pastiche.」「So I set out to design Eastern Arabic numerals in the aesthetic of E13B. One, because Arabic is my mother tongue. Two, because the font is used by financial institutions in Arabia.」「the uses for Nimra are limited. At best, it’s a display typeface for some retrofuturistic effect」。2026年10月21日閲覧) ↩ ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13 ↩14 ↩15 ↩16 ↩17 ↩18
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フォントファイル「Nimra-Regular.otf」(Version 1.002)の name テーブル(デザイナー Abdullah Arif、製作者 Makkuk)と cmap(U+0030〜0039、U+0660〜0669、U+2446〜2449、U+0020) ↩ ↩2
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「release-notes.md」aiaf/nimra(v1.0 2018-3-11「Initial public release.」、v1.01 3-12、v1.02 3-14。2026年10月21日閲覧) ↩
-
配布の zip「makkuk-nimra-1.02.zip」(Nimra-Regular.otf・Nimra-Regular.ttf、webfont/ の WOFF・WOFF2・EOT、OFL.txt、release-notes.md) ↩
-
「OFL.txt」aiaf/nimra(「Copyright (c) 2018, Abdullah Arif」。2026年10月21日閲覧) ↩
-
「Makkuk Digital Industries」(Wayback Machine の2020年6月16日の保存版。「Makkuk Digital Industries / Abdullah Arif」。2026年10月21日閲覧) ↩
-
「Kawkab Mono」Makkuk(Wayback Machine の2026年4月11日の保存版。「Kawkab Mono (كوكب مونو) is a monospaced Arabic typeface. It’s designed for code and text-editing in particular」。2015年10月15日に Hacker News で紹介されている。2026年10月21日閲覧) ↩
-
「Solar 6 - Arabic Variable Pixel Font」Makkuk(Wayback Machine の2026年7月11日の保存版。「v1.1 released 14 Mar 2025」。2026年10月21日閲覧) ↩
-
Alex Clay「Maiden of Pain Numbers」FontStruct(「Arabic digits inspired by this font by Abdullah Arif Nimra」。2026年10月21日閲覧) ↩
