• ゲーム名: ターピン(北米ではタートルズ)
  • 開発: コナミ工業
  • 販売: セガ(日本・ヨーロッパ)、スターン・エレクトロニクス(南北アメリカ)
  • 発表: 1981年10月の第19回 AM ショー(「タイプ114」の名で出展)1
  • 発売: セガ版は1982年2月の業界紙で新製品として紹介2。画面の著作権表示は「© SEGA 1981」3

『ターピン』は、コナミ工業が開発したアーケードゲーム。ビルに迷い込んだ子亀を、親亀が探して回るゲームで、画面の迷路の8か所にある「?」の印のうち、6か所に子亀がいる2。

1981年10月の第19回アミューズメントマシンショー(AM ショー)の前の9月21日、コナミ工業は米国著作権局に「Turtles」の名で、このゲームを未発行の作品として登録している。登録の資料はゲームの代わりのビデオテープ(約8分)で、同じ日に「Strategy X」も登録した45。

AM ショーでは、コナミ工業は新作を「タイプ114」のように番号だけで出展した。コピーを防ぐためだったという1。ショーのあと、コナミ工業は許諾先を発表し、114番(「ターピン」)は、国内とヨーロッパ向けにセガ、南北アメリカ向けに米国のスターン・エレクトロニクスに製造を許諾した。スターンの機種名は「タートルズ」16。

1982年2月の『ゲームマシン』は、「ストラテージX」とともに、コナミ工業の許諾によるセガの新製品として『ターピン』を紹介している。定価は60万円2。海外では、セガがイギリスの JPM、西ドイツの Nova Apparate と NSM/Löwen に製造・販売を許諾している7。

海外のアーケードゲームのデータベースは、コナミ自身の版を「600」(型番 GX353、1981年11月)としている89。

このゲームの書体は、Data 70 をもとにした 8×8 ドット(字の形は 7×7 ドット)の MICR 書体。

『アイデア』352号(2012年)は、『ターピン』を「MICR書体のニュアンスをディスプレイ書体にしたボブ・ニューマンによる書体DATA 70を忠実にビットマップ化した最初の例」とし、8×8 のマス目いっぱいにデザインしているので、Data 70 より扁平に見えるとする10。大曲都市『アーケードゲーム・タイポグラフィ』(2020年)は『タートルズ』として載せ、「少なくとも日本では、Data 70を元にした最初のゲーム書体だと考えられる」とする11。

J・Q・Z は、ゲームの中に出現しない。『アーケードゲーム・タイポグラフィ』は『タートルズ』の J・Q・Z を掲載していない11。一方、『アイデア』は『ターピン』の J・Q・Z を掲載しているが、詳細は不明10。

アイデア 352(2012年5月)

解説(p.134、「Univers of 8x8 Bitmap: World of Video Game Font」)。「ターピン | セガ | 1981」として、J・Q・Z を含む英字と数字の一覧。

アーケードゲーム・タイポグラフィ

解説(p.132、「05 MICR書体」の章)。「タートルズ(コナミ 1981)」として、英字と数字の一覧(J・Q・Z は掲載していない)。

  1. 「コナミ工業、ショー発表機種で許諾関係を発表」(『ゲームマシン』第177号、アミューズメント通信社、1981年11月15日)p.2。「114番(「ターピン」)は国内とヨーロッパ市場対象にセガ社に、また南北アメリカ市場対象にスターン社(機種名「タートルズ」)に製造許諾」「ショー発表時番号だけだったのは、コピー防止の一環だったとしている」 ↩ ↩2 ↩3

  2. 「話題のマシン」セガ社からTVゲーム「ジャンプ・バグ」(豊栄許諾)ターピン、ストラテージX(コナミ許諾)(『ゲームマシン』第181号、アミューズメント通信社、1982年2月1日)p.15。「「ターピン」と「ストラテージX」はともにコナミ工業(株)による製造許諾品で、「ターピン」はビルに迷い込んだ子亀を親亀が探し回るというゲーム」 ↩ ↩2 ↩3

  3. セガ版のデモの画面(ターピン (1981. セガ/コナミ) Stern Turtles、asdf6502、YouTube、0:03)。「PLAY -TURPIN-」「HOW MANY KIDTURTLES CAN YOU RESCUE ?」「© SEGA 1981」 ↩

  4. 米国著作権局「[Turtles.]」登録番号 PAu000360535、1981年9月21日登録(2026年10月16日閲覧。著作権者 Konami Industry Company, Ltd.、未発行。「Deposit contains 1 videocassette (VHS) (ca. 8 min.) : sd., col. ; 1/2 in. (deposited in lieu of game) & description (1 p.).」) ↩

  5. 米国著作権局「[Strategy X.]」登録番号 PAu000360534、1981年9月21日登録(2026年10月16日閲覧。著作権者 Konami Industry Company, Ltd.、未発行。ゲームの代わりにビデオテープ(約24分)と説明) ↩

  6. コナミ工業「謹告」(『ゲームマシン』第177号、アミューズメント通信社、1981年11月15日)p.25。「タイプ114(日本及びヨーロッパ向→ターピン・アメリカ向→タートルズ)」 ↩

  7. Overseas Readers Column(『ゲームマシン』第183号、アミューズメント通信社、1982年3月1日)。「As for “Turpin”, whose rights have been transferred from Konami Industry Co., Sega has granted manufacturing and sales rights to JPM Ltd., U.K., and Nova Apparate GmbH and NSM/Löwen, West Germany.」 ↩

  8. 「600」Arcade History(2026年10月16日閲覧。「Published in November 1981 by Konami Industry Co., Ltd. (Japan), Model GX353」「Konami originally wrote this game (which they mysteriously titled 600), but it was licensed to Stern for US and European distribution (released in December 1981 as Turtles)」) ↩

  9. 「600」Killer List of Videogames(2026年10月16日閲覧) ↩

  10. 「Univers of 8x8 Bitmap: World of Video Game Font」『アイデア』352号、誠文堂新光社、2012年5月、134ページ ↩ ↩2

  11. 大曲都市『アーケードゲーム・タイポグラフィ ビットマップ書体の世界』(井原恵子 訳、グラフィック社、2020年)p.132 ↩ ↩2